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2006年11月 7日 (火)

目指すは帝国の復活か?(ロシアとイランのエネルギー戦略)

最近のロシアのやっていることを見ると、横暴というか無茶苦茶というか、以前も書いたとおり帝政ロシアの復活を目指しているのではないかと思わず考えてしまう。イランも同じで、ペルシア帝国の復活を、と書こうとして調べてみたら、ペルシア帝国はイスラム教成立以前のことだった。イランの歴史はとても簡単にはまとめられそうにない複雑さだが、常に東方イスラム世界の中心であり続けたことは確かなようだ。

・・・・・「サハリン2」プロジェクト・・・・・アザデガン油田開発・・・・・ロシアとイランに共通しているのは、エネルギーを政治的、外交的影響力拡大の手段にしようとする「エネルギー覇権主義」である。・・・・・
・・・・・2004年以降のエネルギー価格の急騰で、ロシアの外貨収入は激増し、経済は急激に回復した。さらに中国、インドなどの経済成長によるエネルギーの需要逼迫で、エネルギー開発プロジェクトは売り手優位に逆転した。ロシア政府が自らの立場が弱かった時代に結んだ外資との契約をすべて反故にし、ロシア優位の新契約を結びなおしたいと考えるのもかしくはない。
・・・・・

なるほど、ロシアの立場からすれば、弱みにつけ込まれて結ばざるを得なかった不平等な契約を、平等なものに改めたいという願望があることは理解できる。でも、明治時代の日本がその撤廃に腐心した不平等な関税などとは違って、純粋に個別案件の契約でしかないわけだから、これを国家の意向で簡単にひっくり返せるとしたら、朝令暮改のどこかの国と本質的に変わりがないではないか。

イラン政府はINPEX(国際石油開発)が保有するアザデガン油田開発の権利を75%から10%に引き下げると決定した。・・・・・核拡散防止の観点から、イランを利する油田開発に着手できる状況ではないだろう。逆にイランはアザデガンを"人質"に、核開発をめぐるイランの立場への理解と譲歩を日本から得ようとしていた。
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イランは日本の経済産業省が「一つ覚え」で繰り返す「自主開発油田の比率向上」を逆手に取っているにすぎない。
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これは、誰も責任を取りたくないがためにズブズブになるという、役人の典型的な行動パターンが災いしているな。今の国際情勢で、イランに対して日本が単独で抜け駆けなどできるわけがないではないか。だいたい、エネルギー安全保障の解は「自主開発油田の比率向上」が最上策なのだろうか? こんな日本の従うべき行動原則が、実は議論されていないように思えてならない。今後は金さえ積み上げることができれば、石油が買えないということは世界だという論も、複数目にしたこともあるし。

・・・・・ロシア、イランがやろうとしているのは、エネルギーを政治的武器として使用し、自国の影響力を拡大し、利益を伸張させようという発想にすぎない。ロシアは米中と並ぶ覇権国家、超大国への復帰を目指し、イランはイスラム世界における指導的立場を狙っているといってよい。

参考:フォーサイト2006年11月号24ページ

まあ地理的なこともあるが、私としてはロシアが怖いなあ。旧ソ連の体制の時とはいえ、大東亜戦争終了直前のどさくさに紛れた領土侵入やシベリア抑留など、基本的に信頼できない。他国へ供給しているパイプラインのストップとか平気でやってるしね。
イランとは直接の利害がからまないので、対米関係とのバランスが問題のすべてだろう。

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